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<女性向・18禁>
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の日の朝のふたりについての妄想。短いです。

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鳥のさえずる声がする。
少しずつ意識が眠りの底から浮かび上がる。
カーテンの隙間から部屋の中へ漏れる光で外がかなり明るいことがわかる。正午前くらいだろうか・・
ひろゆきは心地よい布団のぬくもりの中、眠りと覚醒の間をしばらくいったりきたりしていたが、ある考えに突如はっきりと目覚めさせられた。
背中に感じるぬくもり。
ゆっくりと身じろいで振り返り、その人を目に映す。
カーテンで作られた薄い闇のなかで顔を半分シーツに埋めベッドに納まり、規則正しい呼吸で静かに肩を上下させているその人。
ひろゆきは安堵した。夢じゃない・・


赤木は夕べ遅くに訪ねて来て、開いたドアの前で目を丸くして自分を見つめているひろゆきに「よう」と言い、寝てってもいいかと聞いた。
次第に頬に浮かんでくる満面の笑みを何とかこらえ、迎え入れたドアを閉める瞬間からひろゆきは少なくとも数日間をここで足止めさせる算段をしていた。
まず夜が明けて第一にすること。
あの服だ。
あの服をクリーニングに出してやる。三日は戻ってこない。


ひろゆきは暖かなベッドから抜け出る決意をし、毛布を動かさないよう注意を払ってまず、足を出し、それから少し身体を起こした。
直後、シーツの上を何かが滑ってくる気配。
ひろゆきの身体に腕が巻かれた。そのまま布団の中に引き戻される。
後ろでかすかにつぶやく声。
「・・行くな、ひろ・・」
ひろゆきの驚きはあまりに大きかった。胸を締め付ける思い。甘美な、眩暈のする幸福感。
眠っているのだろうか?いや、眠っていたっていいのだ。彼が自分の名を呼び言ったことに変わりはない・・。
背を抱きとめる腕に高揚し、眠るその人をうっとりと見つめる。
ずっとこのままでいられれば・・


ところが続いて耳に届いた声。
「・・・寒みぃ・・」
ひろゆきは甘美の中に紛れ込んできた小さな、しかし確実な痛みを覚える。
これだ。この人はこういう人なんだ・・
寒いって・・いや、それでもいいんだ、いいのだけれど。

・・・俺はマゾなんだろうか?
ひろゆきはぼんやりと考え、それから諦め、自分に巻かれた腕を握り締めた。






Fin







赤木さんは地がSの人なのでこういう意地悪はしょっちゅうだと思います

しかしこの後計画通りに事を成し遂げたひろは
2・3日は自分のどてらを着せた赤木さんと部屋で一緒に過ごせると思う。







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2007年6月開設。

版権物につきまして 原作者様、及び関係者様各位とは一切関係ありません。 女性向け表現が多い為苦手な方はご覧にならないようお願いします。
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ここのとこもっぱら赤沢脳です。
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